
久々に観劇の日記を書きます。このたびイープラスの貸切公演が当選し、ミュージカル『ジャージー・ボーイズ』を観てきました。初演からそこそこ年月が経ちますが、2022年の前回公演で初めて観劇し、中川アッキー率いるチームBLACKのパフォーマンスに感動して以来、個人的に大好きな作品の一つです。
今シーズンは1回限りの観劇。今回は新チームYELLOWの公演を選びました。
この作品は、アメリカの音楽グループ、フォー・シーズンズの栄光と挫折を、彼らのヒット曲に乗せて描くミュージカルです。既存の楽曲で構成される、いわゆるジュークボックス・ミュージカルなのでしょうが、単に名曲がたくさん楽しめて盛り上がるだけでなく、しっかりとした芝居も楽しめる見応えのある作品になっています。
全編を通してセリフが早口で軽妙なやりとりが多く、さらに複数人でのハーモニーを重ねる楽曲も多いため、演じるキャストにとっては難易度が高いだろうなと、観客として感じました。以下、観劇直後のメモから抜粋した、キャストごとの感想です。
キャストレビュー
小林唯(フランキー・ヴァリ役)
今シーズンからフランキー・ヴァリ役に挑んでいる小林唯くん。稽古を重ねてここまでのパフォーマンスを仕上げているのは本当にすごいと思いました。歌唱は、他のヴァリ役であるアッキーや花村くんのエッセンスも取り入れているような印象です。ヴァリ役は高音が多いので、しっかり訓練して歌っているのが伝わってきましたが、次は彼の得意な音域での歌をじっくり聴いてみたいです。四季出身ということもあり、セリフが明瞭で聞き取りやすいのは本当にさすが。純粋さも芝居からにじみ出ていましたし、身体のキレも良い。ポテンシャルを秘めた逸材で、今後の活躍がますます楽しみになりました。アッキーや花村くんのような天才肌でカリスマ性のある2人とは別の個性で、努力や訓練を重ねてこの大役を見事に務めあげていると思います。
spi(トミー・デヴィート役)
前シーズンでニック役だったspiは、今回トミー役で出演。冒頭からワルっぽい雰囲気がすごくて、本人が楽しんで演じているのが伝わってきました。この作品の持つ世界観と、彼の歌唱のニュアンスがとてもマッチしていました。
有澤樟太郎(ボブ・ゴーディオ役)
4つの役の中で個人的に一番好きなキャラクターです。等身バランスが素晴らしく、小顔で足が長い!スマートで品があり、声も素敵でした。唯ヴァリとのコンビネーションも良かったです。(サントラCDでしか知りませんが、矢崎広くんバージョンのボブ役を見逃したのが本当に悔やまれます。絶対似合っていたでしょうね~~。)
飯田達郎(ニック・マッシ役)
やはり良い声でした。ただ、この作品におけるニックの人物像がいまいち掴みきれませんでした。演技のせいなのか、演出のせいなのか、1回観ただけでは何とも言えませんでした。
チームYELLOWの魅力
新チームということもあり、若くてフレッシュ、勢いがあってとても良かったです。期待通りのパフォーマンスに満足しました。ベテランの川口竜也さんや畠中洋さんたちがチームを支えているのも良いですね。周りのキャストも実力者ばかりで、見応えがありました。
ラストはライブのように盛り上がり、多幸感に包まれます。客席の反応を見る限り、この作品は人気演目として定着しつつある印象です。これからもチームごとに色を出しながら再演されていくことを期待しています。
さいごに
それにしても、初演からヴァリ役を演じているアッキーは本当にレジェンドですね。YELLOWの公演を観ながらも、別チームのアッキーが頭をよぎりました。歌を存分に味わうなら、やはり中川さんかなと感じました。
今回の観劇で、改めて『ジャージー・ボーイズ』の魅力を再認識しました。